架空世界レイゲツ -Februarii Somnium-

ツクヴァ帝国は国家元首として皇帝が存在し、その皇帝が各州に総督を任命している。
総督に就任しているのはほとんどがツクヴァ人、もしくはツクヴァ人に近しいイヴァラキア人だけで、その他の人種が就任することはほとんどなかった。
ただし完全にあり得ないというわけではなく、例えば587年ニコ州(土地義県丹津港市にあった州)総督に就任した徳川 照(とくがわ てる)?はシモツキア人である。

かつて井原木県には大きな国家はなく、小さな国々がひしめき合っているといった状況だった。
そんな中彼女は井原木県津久場市に本拠地を持つ千原家に生まれた。
当初彼女の兄が頭首になる予定だったのだが、東に存在していたカスミールとの戦いの最中に戦死してしまった。
そんなこんなで図らずも千原家当主の座に就いた彼女だったが、当時のツクヴァは東のカスミール、西のバンドー、南のトリディアに挟まれた場所に位置していた。
そんな中彼女は農業政策を進め、領土内に河川を整備する治水工事に力を入れた。
農業の生産性を上げ国力そのものを底上げすることで軍事力を強化し、周辺国へ侵攻した。
そうしてトリディア・バンドーを平定、更にカスミールを征服し、紀元後1年にツクヴァ帝国を建国した。

66年、ツクヴァ帝国は北方ウサ族が住む血馬県北部に侵攻した。
当時北方ウサ族は緩やかな共同体は結成していたものの、統一した国家のようなものはなく、部族ごとに分かれているという状態だった。
そんな状態ではまともに戦えないと感じ、北方ウサ族での統一した軍隊を結成した。
それでも伝統的な生活を続けていた北方ウサ族に対し、高い技術を持ったツクヴァ軍の威力はすさまじく、77年に血馬県北部がツクヴァ領になった。

156年、ツクヴァ軍は血馬県喪薔薇市へ侵攻し、南方ウサ族の国家であるカズーサ王国と衝突した。筑上戦争である。
北方ウサ族に比べ文明レベルの高かった南方ウサ族は先に統一国家を作っており、それにより兵器研究もおこなわれていた。
そのためツクヴァ軍は第一回と戦法を変え、カズーサ王国の軍事拠点を電撃戦的に制圧していこうとした。
しかもこの前年ツクヴァ連邦はトキオ連邦に敗北しており、それによって戦力も少し疲弊していた。(後述の第一次筑東戦争参照)
戦争の早期終結はツクヴァ軍にとって急務であった。
しかしそれでもカズーサ王国の抵抗に手間取り、首都が陥落したのは17年後の173年である。

209年、ツクヴァ軍は血馬県機密市へ侵攻し、アワー王国と衝突した。筑房戦争である。
アワー王国に住むアワー人は前述のウサ族とは違い、ツクヴァ人に近いオーエド系統に属する。
オーエド系統の民族は文明のレベルが高く、第一次筑東戦争でツクヴァ帝国に勝利したトキオ連邦もこのオーエド系統である。
当初は海側からの征服を考えていたが、アワー王国の方も海軍に力を入れていたため、途中で陸側からの侵攻に転換した。
そもそもアワー王国はツクヴァ帝国の中心部から少し遠いので、補給がなかなか続かないのである。
最終的に北部(陸)・東部(海)・西部(海)の三方向から侵攻し、218年ついにアワー王国首都の盾夜魔市を占領した。

108年、ツクヴァ帝国は闘強都東部へ侵攻した。第一次筑東戦争である。当時闘強都には